口呼吸 習癖
病気の予防に「手洗いうがい」そして「マスク」と言われますが、それは間違っています。
「手洗いうがい」そして「鼻呼吸」です。
マスクは手指を口元に接触させないという点で役割をもっていますが、マスクをして口呼吸をしている場合は、かえって菌に対して無防備になってしまいます。
唇がカサカサしている子どもは、普段から「口を開けています」。鼻づまりの多い子どもは普段から「口を開けています」。
水を飲むときに口の周りがギュっと緊張する子どもは、正しい飲み込みが出来ておらず、下の前歯の歯並びが乱れます。「筋肉の緊張によって歯並びが乱れる」といったように、不正咬合の原因は「骨格の成長の問題」と「筋肉の使い方」に集約されます。
とみた歯科では、子どもの治療から義歯の治療にいたる全ての治療で「お口の正しい使い方」を指導しています。
子どもの歯並び
現代社会では、90%近くの子供たちが歯並びに問題があると言われています。
「永久歯が並ぶスペースが不足している」
「深く噛み込んで、下の歯が見えない」
などが多くみられます。
左の写真は、6歳の子どものお口の写真です。
まだ全て乳歯です。
この歯並びは、どう思いますか?
1.きれいな歯並び
2.歯並びに問題
(答えは下にあります)
身体は中心から末端に成長(成長の順序性)することから、手先の不器用、関節がうまく使えないなどの問題も顎顔面の成長発達不全が原因の一つとも言われています。舌が正常に機能して口腔が環境を取り戻すとともに、問題がある場合には子供のうちに治療しておく必要があります。
小児矯正の基本は狭い歯列を拡げることですが、保育士さんも子どもの狭い口腔を危ぶんでいます。しかし、「拡げておけば良い」と拡げる装置だけを使っていくといった明確な目標をもたない小児矯正が多いことも事実で、歯科医師の間でも問題になっています。
咬合誘導から始まった子どもの歯並びの問題に対する考え方は、現代の「口腔育成」という子供の成長発育につながる大事なものという考え方に変わりつつあります。
とみた歯科では、口腔育成を含めた小児矯正をおすすめしています。
正解は「2」です。
子どもの口腔が正常に成長すると、乳歯の前歯はすきっ歯になります。乳歯で隣合う歯にすき間がない場合は、永久歯で歯並びが乱れることが、ほぼ確定しているということです。
左の写真も少なめではありますが、歯と歯の間にすき間があり、大人の歯のスペース分が作られています。
この写真の子どもは
「歯並びに問題あり」です。
このまま放置した場合、永久歯の歯並びは間違いなく乱れます。
口腔容積
左右の写真を見比べると「歯ぐき」の形が違います。
舌がしっかり機能していると、骨が育って「歯ぐき」が大きく育ち、歯並びがキレイになります。
なによりも、口の中が狭いと舌のスペースがなくなり、後退した舌が気道を狭くしてしまいます。
健康の基本は、しっかりと食べることができ、しっかり呼吸が出来ていることです。
特に口腔の狭さは、睡眠時の酸素摂取量に影響すると言われています。
トレーナーという装置と筋機能訓練でおこなう矯正です。
正常な歯並びの人は、口腔周辺の筋肉の使い方が正常であり、乱れた歯並びの人は筋肉の使い方を間違えています。
子どもの成長発育能と舌、口唇、嚥下などに使われる筋肉のトレーニングによって、歯並びを正常方向へ誘導する最新の治療法です。
歯列が狭い、歯の乱れが強いなどの場合は、事前に拡げる処置が必要になりますが、基本的に歯の表面側にワイヤーは出さないことが可能な治療です。
全ての症例に適応できるものではないため、まずはご相談ください。
6歳女の子で。歯並びが気になるということで来院されました。
骨の成長が弱いため、歯ぐきが薄いようです。
乳歯が永久歯に代わる交換期ですが、歯ぐきや骨も成長している時期でもあるため、積極的に歯を誘導しながら、骨の成長をうながします。
左の写真では、歯列を拡げながら前歯を整え、乳歯の奥歯で高さを確保しています。
10歳で小児矯正としては、問題ないところまで誘導できました。
子どもは12~13歳で発育曲線のピークを迎えますが、その前に正常に近づけておくことが、とても重要であると考えています。
歯の誘導をしっかりおこなえば、骨も歯ぐきもちゃんと成長してきます。
「大人の歯になってから矯正しましょう」
頭や口の周りの成長は、生まれた直後から永久歯が生えそろうころまで続きますが、
永久歯が生えそろうころには、矯正をしても骨や歯ぐきの成長誘導が難しくなります。
矯正で体の成長に影響を与えることのできる、最も価値のある誘導は
小児矯正です。
右側の犬歯(糸切り歯)が黄色丸の部分にありこのまま放置すると手前の正常なスペースには並びません。永久歯に交換が済んでから治そうと思っても、治せません。
子どものうちにアプローチすることにより、正常な環境に近づけることが可能なことがたくさんあります。
レントゲンでみると、右側の犬歯は本来あるべき位置から後方に位置(写真中の赤丸)していて、奥歯が手前にあります。
子どもの成長発育期は無限の可能性を秘めているものです。問題を放置してしまった場合、間違えた方向へ向かったまま完結してしまう可能性もあるということになります。
当院では「少し様子を見る」ことはせず、治す可能性を尽くします。
「永久歯に代わってから矯正をしましょう」とした場合は、この治療は不可能になります。
成長期にアプローチすることにより可能になります。
小児へのアプローチにおいては、単に「歯を並べる」という目的ではなく、本来あるべき正常な状態に近づけることを目標にするべきであると考えています。